HOME フォトギャラリー
 令和3年度
西置賜地区読書感想文
小学校高学年の部 特選
(写真は10月の学習・生活の様子)

「珠子とわたし」(長江優子著「サンドイッチクラブ」を読んで)

  この本を手に取ったとき、おいしいサンドイッチを作る本だと思って読みはじめました。でも、読み終えるまでサンドイッチは全く出てきませんでした。お母さんに聞いてみると、「サンド」は英語で、日本語に直すと、「砂」のことだと教えてくれました。
 読み進めていくうちに、いつの間にか主人公の珠子に自分を重ねていました。将来の夢や趣味が見つからないところがわたしと同じだったからです。
 小学6年生の珠子は、特に目標がなく、中学校受験のためにじゅくに通っていました。なかなか勉強に向かうことができず、なんだかぱっとしない毎日です。でも、じゅくで出会ったヒカルと一緒に「砂像」を作りはじめ、一気にはまってしまいます。
 わたしも、5年生からバレーを習いはじめました。バレーを始める前のわたしは、珠子と同じく、特に夢や目標がありませんでした。「目標がなくても、学校は楽しいし、友達とも仲よくやっているし、これでいいかなぁ。」と思っていました。バレーを始めて、最初は上手くできなくて、これから大丈夫かなぁと思いました。でも、やっていくうちにスパイクがビシッと決まったり、他の学校の友達と練習したりするのが楽しくなってきました。珠子も熱中することができたおかげで、勉強にがんばって取り組むようになりました。わたしもバレーだけでなく、学校でも前向きになることができました。
 バレーを始めてから、同じ目標を持つ仲のいい友達ができたこともよかったです。その子は、いつも元気なチームメイトで、ひかえめなわたしとは対照的な性格です。でも、わたしのことをいつも気にかけてくれます。わたしが練習に遅れて行ったときには、喜んでかけつけて一緒に走ってくれます。調子が悪くて、しばらく練習を休んだときには、
「ゆっくりでいいから、来られるときに来てね。」
と電話ではげましてくれました。わたしは、その子がいたからこそ、今でも楽しくバレーをすることができています。
 珠子にとっても、自分よりずっと頭のいいヒカルは、わたしの大切な友達と同じような存在だと思います。性格や得意なことがちがっても、おたがいにはげまし合って、支え合っていくことができるのはとてもいいことだなと思いました。
 この本を読んで、同じ目標の仲間をもつことの大切さに気づきました。わたしは、中学校でもバレーを続けたいと考えています。そのときには、毎日のように一緒に練習をすることになります。いつも支えてもらっているばかりですが、いつかはわたしが支える立場になってあげられるようになりたいです。
「ポンデケージョ!」
 この言葉で、珠子とヒカルは何があってもずっと仲よくしていられるのだろうな、わたしたちもそんな関係になれたらいいな、と思います。